キャンセルの嵐
接骨院から整体院に切り替える際に、セミナー代と広告代に多額の投資をして、準備万端の状態で平成15年3月12日、鶴岡いとう筋整復院として再出発しました。
宣伝の効果もあり、初日からたくさんの患者さんが来院してくれました。
前途洋々の船出でしたが、しばらくして、私の希望とは裏腹に前途多難な道が待っていました。
私が想像していた以上の難しい患者さんと、1回、2回の治療で効果を期待する人が多く来院したのです。2回目、3回目の来院の際は「早く治してよ」「治せるの?」「ここでは治らないのかな?」と言いたそうな顔をして待合室で待っています。私は「まずいなあ、なんとかしなければ」と冷汗をかきながら調整をしますが、こういう時は大概うまくいかず、後日キャンセルの電話が入ります。
開業してから1年が過ぎた頃、カルテを調べてみると、7割の方がキャンセルと、中止という形で当院を去っていました。このままではまずい、なんとかしなければ治療院が潰れてしまう。すごいあせりを感じていました。もっと腕を上げなければと、またセミナーに行く決心をします。
全国各地のセミナーに参加
患者さんが、お医者さんや治療家に救いを求めるように、私も治療技術を高めるため、全国各地で開催のセミナーを受講しました。沖縄、神戸、大阪、京都、奈良、福井、岐阜、岡崎、掛川西、東京、新潟、郡山、仙台、秋田、その他・・・
1回2回の参加の所もあれば、3年間、4年間かけて勉強に行った所もあります。知らない街に行き、初めての景色を眺め、セミナーの先生にお会いし、刺激を受けて、飲んで、食べて、時間があれば観光もして、元気になって帰ってくると、不思議に患者さんの治りが良くなるのですが、そんなことを繰り返していましたから、治療院の経営はいつも綱渡りの状態でした。
秋田でのセミナー
患者さんから、秋田で勉強会を開いている先生がいるから、一緒に行きましょうと誘われ、行ってみる事にしました。
初めて先生のお話を聞いた時は、???、治療には関係の無いような話がいっぱいなのです。
宇宙の話、家族、ご先祖様、お天気、物理学、芸術、音楽、外国の話、童話、歴史、数学、地球、(過去、現在、未来)、修行、空間と時間、台風、(関係、比較、絶対)、呼吸、命、生命とは、現象、感性、交換、(所有・共有)、世界、イメージ、窓、自分、他人、人、詐病、土地、お金、保険、ニュートン力学、憲法、(免許、無免許)、薬、複式簿記、(民事、刑事)、天皇陛下、宗教、考える、悩む、日本国、医学、本、映画、(主役・脇役)、治療家の姿勢・・・
おもしろい話もあれば、難しい話もあり、チンプンカンプンの話もあり、少しだけ整体の話が出てくると、ほっとしたものでした。今までのセミナーと違い、治療のテクニックはほんの少しだけでしたが、なぜか先生のお話と魅力に引き寄せられ、月に1、2回のペースで3年程秋田に通っていました。
症状は、今まで生きてきた通信簿
治療家は、体の歪みや、骨のズレを意識します。(以前の私がそうでした)
お医者さんは、もっともっと体の奥の異常さを探し出そうとします。
秋田のセミナーに通うようになってからの私は、いつの間にか、体の外の環境に意識が行くようになっていました。体の中にも原因は隠れていますが、体の外にある原因の方がはるかに影響が大きいのではないかと考え始めました。
ある時、先生が「症状は今まで生きてきた歴史そのもの、通信簿ですよ。簡単には治るわけがない」と言われたのを聞いた時、はっとしました。患者さんの症状を取るには、通信簿の成績を上げればいいんだと。
体の通信簿の成績を上げるのは誰?
あなたの体の成績は何点ですか? 仮に30点だとします。
あなたの体の合格点は何点ですか? 仮に60点だとします。
合格点の60点まで成績を上げれば、あなたの持っている症状は楽になるか、取れる可能性がありますね。
30点上げるためにどうしますか?
いとう筋整復院で治療を受けたら60点以上になりますか?
答:残念ながら60点以上にはなりません。
私の所で調整を受けても、せいぜい10点のプラスにしかなりません。
30点+10点=40点。合格点までまだ20点足りません。
どうしますか?
答えは簡単です。
体の通信簿を下げているのは、あなたです。
ですが、体の通信簿を上げるのも、あなたなのです。
自分が治すんだという気持ちを持って、あせらずに努力する方を当院は応援します。